マンション、ここ見る。

現役一級建築士が設計のプロ目線で新築マンションの間取りを中心にあれこれ好き勝手に書いています。

PIAS恵比寿WESTHILLS"2LDKは少しきつい、Fタイプ"

52.81m2の1LDK+ServiceRoom(=つまりは2LDKですね)。

ピアース恵比寿WESTHILLSのFタイプの間取りについて。 

 

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まずは、サービスルームについて。

マンションを初めて検討されている方などは、

サービスルームってなに??とお思いのことでしょう。

実は、ベットルームとサービスルームとは、

建築基準法上での扱いに違いがあるため、

同じ寝室でも表記が異なるのです。

 

建築基準法(=建物が最低限備えるべき品質を定めた法律)では、

寝室には、採光(=日当たり)が必要。

と定められており、

法律上は、その基準が取れないものは寝室としては

ならないことになっています。

ですから、基準を満たさない室はベットルーム(=寝室)とは

表記できず、サービスルームなる表記になっているのです。

 

ですから、本来は、寝室としてはならないはずですが、

表記をサービスルームとしているだけで、

実際は、寝室のように使える形になっています。

 

う〜ん。

完全に法律守っていないですよね。。。

 

 

さて、間取りです。

住戸自体は角住戸で、2面採光。

 

注目は、玄関の位置が、住戸の中央にあること。

このパターンは、非常に効率的に廊下レイアウトが可能で、

良いプランとなることが多いので、期待大です。

 

フラットの玄関の先はクランクする廊下。

玄関扉を開けた際も、中が見通されないメリットありです。

 

サービスルーム(=主寝室)は、

廊下に入り口があり、プライバシーもしっかり確保されています。

また、非常に大きなウォークインクローゼットは魅力的。

 

LDは少し狭目で9.0畳。

リビング内の廊下状の部分を含んでの畳数ですので、

ちょっと狭いか。

 

4人掛けのダイニングテーブルとソファセット。

みたいな組み合わせは難しいそうです。

 

ただし、リビング隣のベットルームが

3本引き戸になっているため、

開け放てば、リビングの一部として利用できるため、

しっかりリビングの広さが確保された1LDKとしても

使えるのは嬉しいところ。

 

収納は、主寝室のウォークインクロゼットが目立っていますが、

共用収納がない点は、問題ありか。

ベットルームのクローゼットも小さく物足りなし。

 

52m2なので、1LDKでも良さそうですが、

主寝室がサービスルームになってしまうという

法律的な問題よりやむ得ず2LDKとなったせいでしょうか。

(LDK+サービスルームでは、さすがに住宅として法律上問題ありです。)

収納のバランスなどにしわが寄った感がある間取りです。

 

 

採点

基礎点50

角住戸、窓多し。+5

コンパクトな廊下、形状もよし。+3

主寝室ウォークインクロゼット大。+5

LDが狭目。-3

ベットルームが引き戸でフレキシビリティーあり。+3

共用収納なし。-3

トータル

60点。