マンション、ここ見る。

現役一級建築士が設計のプロ目線で新築マンションの間取りを中心にあれこれ好き勝手に書いています。

ザパークハウス中目黒プレイス"変形アウトライン、Jタイプ"

97.32m2の3LDK。

ザパークハウス中目黒プレイスJタイプの間取りについて。 

 

f:id:roccc:20181227204013j:image

 

パッと見は変形な外郭ラインの住戸形状。

変形な住戸形状の場合、

とても個性のある面白い間取りになることもあれば、

どうしようもない間取りになることもありで、

デザイナーの腕の見せ所。

 

では、細かく間取りをチェックです。

 

住戸のアウトライン自体は、細長く変形ですが、

そのほとんどが外部に面した

間口の広い住戸のため、

窓を多く設けることができ、

戸建のような開放感のある間取りが期待できます。

 

玄関を入ると正面が壁のため、

玄関扉を開けても奥まで見通される心配がありません。

玄関収納は、シューズインクローゼットですが、

その大きさはかなり小さめ。

90m2台にしては、物足りなし。

 

廊下は、廊下1と廊下2とに分かれており、

プライベートとパブリックとが分離されています。

流石、90m2台!

って感じでしょうか。

 

リビングダイニングは15畳。

家具配置を考えた場合、

リビングゾーンとダイニングゾーンとを

うまく分離できそうで、使いやすそうです。

 

キッチンはオープンタイプで、

バルコニーにつながる扉がありGood。

扉があることで、明るさが確保されることと、

バルコニーにすぐ出られるのは、実用性も高し。

 

そのバルコニーですが、

南向きで幅、奥行き共に十分。

使えます。このバルコニー。

 

では、次は寝室です。

廊下1の奥の廊下2がプライベート廊下になっており、

寝室の入り口と洗面室の入り口があります。

 

何より気になるのは、廊下2の長さ。

う〜ん。。。

仕方ないのでしょうが、さすがにこの長さはいただけません。。。

 

洋室1は7.4畳ありますが、

そのうちの1畳程度は、廊下2の続きか?!と

思わせる廊下状部分で、実際の有効スペースは

7畳は間違いなく切ってしまいそう。

 

全ては変形な住戸外郭ラインの影響か。

最初に腕の見せどころと書きましたが、

腕を見せきれなかった感ありな間取りでした。。。

 

 

採点

基礎点50

シューズインクローゼットが狭い。-5

廊下1、2によるプライベートとパブリックの分離。+5

キッチンにバルコニー扉あり。+3

南向きの広いバルコニー。+5

廊下2が長い。。。-5

トータル

53点。

 

 

ザパークハウス中目黒プレイス"3方開放角住戸、Fタイプ"

ザパークハウス中目黒プレイス。

84.63m2、3LDKのFタイプの間取りについて。 

 

f:id:roccc:20181227203927j:image

 

角住戸。3方解放です。

窓の多さが魅力的。

また、住戸の中央付近に玄関があり、

この配置の間取りは効率的な良い間取りになりやすく

期待大です。

 

では、具体的な間取りです。

玄関には少し幅があり、ゆとりあり。

大きな物入れが魅力的。

 

廊下がT字型になっているため、

玄関扉を開けても奥まで見通されることなし。

また、玄関正面が壁のため、

絵などを飾れば雰囲気が出そうです。

何より長すぎず、短すぎずの

効率的な廊下です。

 

LDKですが、

キッチンはオープンキッチンタイプ。

 

リビングダイニングは長方形型で

家具配置がしやすそうです。

リビング正面の窓がシンメトリーに配置され、

とても建築的な雰囲気を醸し出してくれそう。

この辺りは、さすがです。。

 

洋室1、2は廊下に入り口扉があるため、

プライバシーは問題なし。

洋室3はリビング隣にあり、入り口扉が

リビングに面しているため、

プライバシーは他より低くなります。

せっかくリビング横にあるので、

引き戸やウォールドアを採用して、

扉を開け放てば、広めのリビングとしても

利用できるフレキシブルな間取りが

トレンドですが、こちらは開き扉。

なぜだ。。

 

収納ですが、

3洋室ともウォークインクローゼット付き。

かなりの収納力。

 

角住戸を活かした

窓の多さはこの間取りの一番の魅力です。

マンションはとにかく間口(=外部に開いている

部分の長さ)が命。

みたいな部分がありますので、

その意味では、この間取りは申し分ありませんね。

 

 

採点

基礎点50

3方解放角住戸。+8

T字型の効率的な廊下。+7

リビングの雰囲気良しの窓。+4

洋室3にフレキシビリティーがない。-3

3つのウォークインクローゼット。+3

窓の多さ。採光、通風が良い。5

トータル

74点。

 

 

ザパークハウス中目黒プレイス"吹抜けあり、Bタイプ"

ザパークハウス中目黒プレイス。

64.66m2の2LDKの間取りについて。

 

f:id:roccc:20181227203753j:image

 

一番の特徴である、住戸の中にある吹抜けについて。

 

これは、住戸の間口が限られており、かつ内廊下のため、外部側にはリビングと寝室一つしか配置できないための苦肉の策か。

ただ、吹抜け自体は深くはないので、採光もそれなりに確保されそうです。

なにより、建築的に言えば、吹抜けがあると、おもしろい光の入り方がしたりと図面では現れない面白さがあります。

 

では、間取りです。

 

玄関は廊下と同じ幅しかないので、ちと狭目です。

 

廊下は最小限の長さでリビングまで真っ直ぐコンパクト。

 

キッチンはクローズドタイプ。

シンク脇が開いているので、半クローズという感じ。

ただし、半クローズ(=半オープン)キッチンの位置としては、リビングダイニングの家具配置を考えると、リビングが窓側、ダイニングが奥側になるはずで、リビングの脇に半オープンキッチンとなり、そこは少し違和感ありか。。

 

リビング自体は、長方形なので、非常に家具配置がしやすそう。吹抜けを活かして窓側に2面にあることも効果的。

ただ、バルコニー側の窓が小さいのは気になります。室外機などを置いたりする必要があるのは、わかりますが、なんとかして、間口いっぱいの窓にできなかったものか。。

 

洋室2はリビングに扉があり、プライバシーは低め。

コーナー窓が部屋自体に広がりを与えてくれそう。

ただし、リビングの脇にある寝室であれば、引き戸にしてリビングと一体利用もできます!みたいなパターンが近年のトレンドですが、配置的にそれは叶わず。

フレキシビリティーは高くないです。

 

共用収納はリビング内に小さなものがある程度で少し物足りないか。

廊下のリビング手前、吹抜け脇のニッチ部がだぶついているので収納にでもしてもらえればありがたかったですが。。

 

 

採点

基礎点50

吹抜けがおもしろい。+7

玄関の幅が狭い。-2

コンパクトな廊下。+3

リビングの2面に窓あり。+5

リビングのバルコニー側窓小さい。-3

洋室2のフレキシビリティーが低い。-2

共用収納が少なめ。-2

トータル

56点。

 

 

PIAS恵比寿WESTHILLS"1LDKながら角住戸、Aタイプ"

ピアース恵比寿WESTHILLS。

36.58m2の1LDK。

Aタイプの間取りについて。 

 

f:id:roccc:20181220091418j:image

本物件は、玄関がホテルライクなフラットタイプのため、

廊下(=Hall)と一体の空間になっており、

玄関がタタキになっていて廊下と別空間になっているものと比べて

広がりがでて良しです。

 

本タイプのように限られた面積の中で

玄関、廊下を設ける場合は、非常に効果的で

狭さを感じさせません。

 

また、廊下がクランクしているため、

玄関を開けても中まで見通されないのは良い点です。

玄関を開けて正面が壁なので、

絵などを飾れば雰囲気もでそうです。

 

LDKですが、

キッチンは壁付けタイプ。

LDKの一部になっているパターンです。

LDK合わせて10.1畳ですから、

さすがに対面キッチンにするほどの広さは

取れなったようで。。

 

ちょっとワンルーム感が出てしまうので、

食器棚やキッチン家電置きをスタイリッシュなものにして

雰囲気を出したいところ。

 

ベットルームは4.0畳で、

まさにベットのためのルームです。。

ただし、入り口扉が3本引き戸のため、

開け放てばリビングと一体的に利用可。

室の広さを考えると、

普段は開けておいて来客時など必要に応じて

閉じるような使い方になるのでしょうか。

 

本間取りの一番のポイントはやはり角住戸。

1LDKで角はなかなか贅沢。希少性もありです。

 

角を活かして窓が多いのは嬉しいですね。

お風呂にも窓あり。

マンションではなかなかありません。

どうしても水回りはジメジメしてしまいますので、

この窓は魅力的。

 

強いて、注文をつけるとすれば、

リビングの窓をもう少しシンプルなで大きな形状にしてほしかった。

窓が3分割されていますので、

桟(アルミの枠の部分)が多く、開口部となるガラスは少なめ。

窓の見せ方も重要です。

 

 

採点

基礎点50

フラットな玄関。+2

クランクする廊下。+2

キッチンが壁付けタイプ。-3

ベットルームが4畳と狭い。-3

ベットルーム扉が3本引き戸。+2

角住戸で窓多し。+5

UBにも窓あり。+3

トータル

58点。

 

 

PIAS恵比寿WESTHILLS"2LDKは少しきつい、Fタイプ"

52.81m2の1LDK+ServiceRoom(=つまりは2LDKですね)。

ピアース恵比寿WESTHILLSのFタイプの間取りについて。 

 

f:id:roccc:20181220091103j:image

 

まずは、サービスルームについて。

マンションを初めて検討されている方などは、

サービスルームってなに??とお思いのことでしょう。

実は、ベットルームとサービスルームとは、

建築基準法上での扱いに違いがあるため、

同じ寝室でも表記が異なるのです。

 

建築基準法(=建物が最低限備えるべき品質を定めた法律)では、

寝室には、採光(=日当たり)が必要。

と定められており、

法律上は、その基準が取れないものは寝室としては

ならないことになっています。

ですから、基準を満たさない室はベットルーム(=寝室)とは

表記できず、サービスルームなる表記になっているのです。

 

ですから、本来は、寝室としてはならないはずですが、

表記をサービスルームとしているだけで、

実際は、寝室のように使える形になっています。

 

う〜ん。

完全に法律守っていないですよね。。。

 

 

さて、間取りです。

住戸自体は角住戸で、2面採光。

 

注目は、玄関の位置が、住戸の中央にあること。

このパターンは、非常に効率的に廊下レイアウトが可能で、

良いプランとなることが多いので、期待大です。

 

フラットの玄関の先はクランクする廊下。

玄関扉を開けた際も、中が見通されないメリットありです。

 

サービスルーム(=主寝室)は、

廊下に入り口があり、プライバシーもしっかり確保されています。

また、非常に大きなウォークインクローゼットは魅力的。

 

LDは少し狭目で9.0畳。

リビング内の廊下状の部分を含んでの畳数ですので、

ちょっと狭いか。

 

4人掛けのダイニングテーブルとソファセット。

みたいな組み合わせは難しいそうです。

 

ただし、リビング隣のベットルームが

3本引き戸になっているため、

開け放てば、リビングの一部として利用できるため、

しっかりリビングの広さが確保された1LDKとしても

使えるのは嬉しいところ。

 

収納は、主寝室のウォークインクロゼットが目立っていますが、

共用収納がない点は、問題ありか。

ベットルームのクローゼットも小さく物足りなし。

 

52m2なので、1LDKでも良さそうですが、

主寝室がサービスルームになってしまうという

法律的な問題よりやむ得ず2LDKとなったせいでしょうか。

(LDK+サービスルームでは、さすがに住宅として法律上問題ありです。)

収納のバランスなどにしわが寄った感がある間取りです。

 

 

採点

基礎点50

角住戸、窓多し。+5

コンパクトな廊下、形状もよし。+3

主寝室ウォークインクロゼット大。+5

LDが狭目。-3

ベットルームが引き戸でフレキシビリティーあり。+3

共用収納なし。-3

トータル

60点。