マンション、ここ見る。

現役一級建築士が設計のプロ目線で新築マンションの間取りを中心にあれこれ好き勝手に書いています。

ザパークハウス吉祥寺"ゆとりの70m2台の2LDK、Cタイプ"

ザパークハウス吉祥寺のCタイプ。

70.79m2の2LDKです。

都内の多くの物件は70m2台は当然3LDKですが、こちらは2LDK。ゆとりのある良いプランが期待できます。

 

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玄関に入るとその先は折れ曲がる廊下。玄関扉を開けても中が見通されることはありません。

廊下は非常にコンパクト。一見するとコンパクト過ぎて狭さを感じないかと思ってしまいますが、廊下の幅が広めに設計されているため問題なさそうです。

 

リビングは縦長の12.3畳。

長方形のリビングは基本的に家具配置がしやすいですが、本プランでは、寝室やキッチン、廊下の入口が各方面にあるため、意外と家具配置が難しそうです。

実際に持っている家具がどう置けるか、確認しておきたいところ。

 

キッチンは半オープンタイプ。

リビングと程よく 繋がり、キッチンを程よく隠してくれる。

個人的には好きですが、まさに好みによりますね。。

市場出回っているのは、フルオープンタイプが多いでしょうか。

 

2つの洋室は共にリビングイン。

プライバシーは低くなりますが、廊下がコンパクトに出来ている要因のひとつですね。

 

洋室1(=主寝室)は8.2畳でウォークインクローゼット付き。

広い!

70m2台で2LDKならではですね。

形が少し細長すぎるのは気になりますが。。

 

 洋室2は柱を抱いており、5.2畳に柱の面積も含んでいるため、

表記よりは狭く感じそうです。

 

柱で言えば、3本も柱が住戸内に入っているのはマイナスポイントです。

大きなクローゼットが3つ出来ちゃいます。。

 

水回りは大きなリネン庫があり、グッド。

広さも狭すぎずで洗面室内に大人2人くらい入っても問題なさそうです。

 

収納は、大きなシューズイン、ウォークインが目立ちますが、

共用の物入れが小さいのが気になります。

何だかんだで物入れに入れたい物って多いものですから。

 

そして、

なんと言ってもこちらの間取りの一番の魅力は、

南向きの広い間口。

バルコニーが広くていいですね〜。

そして、全室南向き!

マンションはその構造上、なかなか一つの住戸あたりの

間口を取りづらいですから、これは魅力だと思います。

ただし、一つだけ注文をつけるとすれば、せっかくの間口の割に

窓が小さい事でしょうか。。

エアコンを置いたり、給湯器を置いたりと

色々事情はあるのでしょうだ、

せっかくなのにちょっと残念って思っちゃいますね。

 

採点

基礎点50

南向きの広い間口。+7

折れ曲がる玄関、コンパクトな廊下。+3

リビング、洋室1が細長い。-2

リビング12畳越え。+3

大きなウォークイン、シューズイン。+5

共用収納が少ない。-2

窓が小さめ。-3

トータル

61点。

 

ザパークハウス吉祥寺"間口広め、Aタイプ"

ザパークハウス吉祥寺。

吉祥寺駅から徒歩11分。

全28戸で59m2から107m2までのファミリータイプの

マンションです。

こちらのAタイプは、59.02m2の2LDK。

全面南向きで陽当たりがよさそうです。

 

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間取りの注目ポイントは、なんと言ってもその間口でしょう。

奥行きより、間口の方が広い!

良い間取りが約束されたようなものです。

 

限られた部屋の広さを有効利用する為には、効率的な廊下は必須ですが、

玄関が間口の中央に配置されているため、効率的な廊下が可能。

なんともコンパクトな廊下です。

 

廊下の一番奥に10.4畳のリビングダイニング。

PSや柱型でデコボコしているのが少し気になりますが、

概ね整形で使いやすそう。

 

キッチンはオープンタイプで食器棚が実装されているのはさすがです。

 

リビングの隣の洋室2は3本引き戸になっており、

あけはなてば、リビングを拡張して利用可能で

フレキシビリティが高いです。

少し気になる点は、リビングと同様に

廊下が少し入り込んでいたり、小さなPSがあったりと、

壁にデコボコがある点でしょうか。

家具、置きづらいです。。

 

洋室1は、廊下に入口があり、プライバシーが確保され、

正に主寝室として相応しい。

大きな柱が部屋の中に入り込んでいるのはマイナスポイントですが、

間取り的には気にならない位置にうまく配されているので

許容できる範囲でしょうか。

ただし、長く住んだ後に、今流行りの間取り変更を伴う

大規模なリノベーションなどをする際は、

住戸の中に柱があるのはマイナスポイントになると思います。

これからは、欧米がそうであるように

既存ストックを活かす世の中になっていくと思われますから、

長い目で見た視点も頭の隅に入れておきたいところです。

 

水廻りで気になるのは、洗面室の入口。

リビング内にあるため、プライバシーが低め。

ただし、家事動線で考えれば、便利な位置関係ではありますが。。

どうせなら家事動線優先で扉を引き戸にして

戸を開け放して家事ができるようにしても良かったか。。

 

バルコニーは奥行きが広めで良いですが、

柱がバルコニーのど真ん中にあるのが邪魔くさいかな。

 

あとは、せっかくの間口の広さを活かして、

開口部(=窓)がもう少し大きくても良かったのかなと。

だって、せっかくの広い間口なんですから。

 

 

採点

基礎点50

広い間口。+5

コンパクトな廊下。 +3

室内のデコボコ。-3

洋室2のフレキシビリティー。+4

住戸内の柱。-3

洗面室の入口の位置。-3

奥行きのあるバルコニー +3

トータル

56点。

 

プラウドシティ日吉"可もなく不可もない、H1タイプ"

73.33m2の3LDK。

プラウドシティ日吉のH1タイプの間取りについて。

 

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アルコーブ(玄関前の窪んだスペース)がとても広いです。

プライベート感が高めで贅沢です。

 

玄関扉を開けると直行して伸びていく廊下。部屋の奥まで見通されることがないので、プライバシーが保たれます。

 

廊下は若干長めですが、洋室のうち2つが廊下に入口扉がある形ですので、洋室にプライバシーありです。

 

リビングダイニングは12.1畳。長方形の形なのでリビングゾーンとダイニングゾーンとが分離できるため家具配置がしやすそう。

キッチンは対面タイプ。コンロ前は壁になっているため、半オープンキッチンって感じ。

ダイニングとも繋がりつつ、キッチンの奥は隠せるちょうどよいバランス。

 

洋室3はリビングに面していますが、入口は4本引き戸になっているため、全て開け放すことも可能でリビングと一体的な空間になります。

多目的に利用できるため使い勝手良しです。

洋室3は角に位置するため窓が2つありで、風通し、採光ともに高め。

ただし、角部屋とはいえ、メリットは洋室3に窓がついているのみで、そこまで角部屋感はありません。。

 

収納ですが、洋室1のウォークインクローゼットと洋室3の布団クローゼット(通常のクローゼットより奥行き深め)は充実していますが、洋室2のクローゼットはかなり小さめ。

リビングに納戸があるのは便利ですが、共用の物入れがないので、細かいものの収納は不便。

収納力はいいところと悪いところが混在。

 

バルコニーは、幅、奥行きともに充実で、ガーデニングをしたり、テーブルを出してくつろいだりと使えるバルコニーになりそうです。

 

 

採点

基礎点50

広いアルコーブ。+3

プライバシーを保つ廊下形状。+2

2洋室が廊下イン。+2

使いやすいリビング形状。+2

洋室3がフレキシブルに使える。+3

広いバルコニー。+2

トータル

64点。

 

プラウドシティ日吉"横リビング、G1タイプ"

84.39m2、4LDK。

プラウドシティ日吉G1タイプの間取りについて。

 

 

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前にみたA1タイプ(4LDK、83.08m2)と同じく

他の字プランベースの4LDKです。

 

両タイプのもっとも大きな違いは、

A1タイプでは、縦型リビングでしたが、

こちらのG1タイプは横型リビングである点です。

 

では、細かい間取りについて。

ポーチはかなりの奥行があり、プライベート感が高いです。

ここまで奥行があるポーチはなかなか珍しいです。

 

玄関の広さは標準的ですが、

下足入れが奥行が大きいタイプなので、

前後2列に靴を入れられるため、かなりの収納力。

 

廊下は、L型にクランクしており、

玄関扉を開けると正面が壁のため、

玄関先から奥まで見通されることがありません。

こちらの物件に共通の仕様のようですが、

なかなか配慮が行き届いています。

 

リビングは、最初に確認した通り横長。

部屋の形が長方形だとリビングスペースとダイニングスペースとを

うまくゾーニングでき、また家具配置もしやすいため、

使いやすいと思います。

 

気になるのは、リビングの窓。

せっかくの横長リビングなのに、

窓の大きさが中途半端な感じ。

どうせなら、どーんと大きな横長窓で、

南からの光をふんだんに取り込んでもらいたかったところ。

 

リビング脇の洋室4は、コーナー引き戸になっているため、

開け放てばリビングの一部としても使えるため

フレキシブル性があり、便利。

 

また、洋室1~3は、廊下に面して室の入り口があるため、

プライバシーはばっちりです。

ちょっと廊下が長いですが、

リビングに洋室の入り口を設けないためやむなしです。

 

収納は、納戸あり、ウォークインクローゼットありで

充実度高めですが、一部のクローゼットが小さいことと

共用の物入がなのは、少し残念。

 

そして、なにより本間取りの一番の魅力は、

角住戸を活かした窓の多さ。

リビングはもちろん、各寝室にもしっかり窓がついており、

明るい光が入ってきそうです。

2面に窓があるため、風通しもよさそうです。

 

他の字プランの弱点は、共用廊下側の窓の採光性と通風性が

よくないことですが、本間取りのように角住戸の他の字プランであれば、

その弱点もなく、他の字プランの長所である効率のよさを

十分に享受できます。

 

 

採点

基礎点50

深いポーチ。+3

奥行のある下足入れ。+2

クランクする廊下。+3

長方形で使いやすいLD。+5

LDの窓が小さい。-3

洋室4のフレキシブル性。+3

洋室1~3のプライバシーが確保されている。+4

角住戸を活かした窓の多さ。+8

トータル

75点。

 

プラウドシティ日吉"深いポーチの田の字プラン、B2タイプ"

76.09m2の3LDK。

プラウドシティ日吉のB2タイプの間取りについて。

 

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典型的、田の字プラン。

田の字プランは、効率的なのが長所ですが、それに対する短所としては、面白味がないところ。

ただし、同じような田の字プラン達も、色々と細かい工夫がされているので、その差を比べるのは面白いです。

 

こちらの田の字プランはは、玄関が奥まったところにあり、ポーチが広いのが特徴の一つ。

玄関扉を開けてすぐ共用廊下が普通ですが、扉を開けても専用ポーチがあるのは、ゆとりが違います。

 

廊下はL型にクランクしているため、玄関扉を開けても中まで見通されることがなくプライバシーが高め。

普通の田の字プランとは一味違います。

 

リビングダイニングは13.0畳ですが、洗面室の入口がリビング内にあり、キッチン脇を抜けるまでリビング内の廊下状部分になるため、実質の畳数は12畳切るくらいか。

 

洗面室の入口がリビング内にあることで、引き戸を開け放てば、家事動線は高まりますが、プライバシーは低めになります。

 

洋室3はその扉が3本引き戸のため、開け放てばリビングと一体利用が可能。フレキシビリティー高いです。

 

収納は納戸がある点と、奥行きのある布団クローゼットがある点は特徴の一つ。76m2にしては、収納力高めに感じます。

やはり、田の字プランの効率の良さのおかげでしょう。

無駄なスペースがほとんど見当たりません。

 

そんな効率重視の田の字プランですが、弱点は、やはり窓。

 

洋室1、2の窓は共用廊下に面しているため、採光はあまり期待できず。しかも洋室2の窓は、深いポーチ(これはある点では長所でもあるのですが。。)のため、採光ほぼゼロ。結構、日中も暗いと思います。。

 

なかなか特徴が出にくい田の字プランですが、ポーチ、廊下の形状、収納力あたりがこのB2タイプの特徴ですね。

 

 

採点

基礎点50

奥行きのあるポーチ。+5

L型の廊下。+3

洗面室入口がリビング内。-3

洋室3がフレキシブルに使える。+3

洋室1、2の採光が良くない。-5

トータル

53点。